ISO9001はあくまでもシステムですから、いくらルールを決めてもそれを社員が守らなかったり、会社の上層部が「定期審査への対応のため」というような意識でいると、システムが本来の機能を発揮しなくなってしまいます。実質的な品質向上や体質改善に繋げるには、会社全体の品質に対する考え方、また社員一人ひとりの意識を変えていくことが必要不可欠です。
それをどのようにやっていくかについてですが、これは非常に地道でドロ臭いことが必要なのではないかと思います。日常の中で社員の意識や行動を各階層ごとにきめ細かく見て、個別に指摘したり理解してもらうよう対話をしていかないと、なかなか意識や考え方は変わらないものだと思います。また、会社全体に「品質よりも生産性優先」という考え方が根強い場合、マネジメントサイドとしては会社としての優先順位を明確に示してやること、即ち「生産性を落としてでも品質優先にする」と全社にオーソライズしなければなりません。そして、その考え方が社員一人ひとりの仕事に定着するまでは、生産性を落としてでも実践するようにしないといけません。
有効な手段としては、是正処置をきちんとやることです。一度発生した不具合に対して、本当に有効な対策を打つこと、それを継続して確実に実行することが現実的な品質向上に繋がると思います。 |